●流●

 

前回、弥栄村(じゃなかった弥栄町)に行ってから、講演とか、委員会など報告しなければいけない??ことが多々あるのですが、昨日読んだ小説「流」がとっても面白かったので、先に感想文?をアップさせていただきます。。。

さて、このブログをちょくちょく読んでくださっている方は、ご存知かと思いますが、私は芥川賞や直木賞が発表されるたび、
「最低でも芥川賞や直木賞、本屋大賞の本くらいは、読んどかんとね〜〜」
と、最近めっきり本を読まなくなった事を反省して、心も新たに、受賞作品を買い込むものの、その中から一番薄い(本の厚さが…)一冊を読み、それで読んだ感たっぷりで、あとは本棚のコヤシ化させるという事を繰り返してきた訳であります・・・。



そして今回も、一番話題性があって手の出しやすい「火花」をソッコー読んで、このブログに感想文、というか雑記をアップし、またまたうやむやにしかけたのですが、さすがにそんな自分にあいそがつき、今回はボチボチ読んでいます。

「火花」の後には、同じく芥川賞をW授賞した羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」を読み、昨日は、直木賞を授賞した東山彰良さんの「流」を読みました。

「スクラップ・アンド・ビルド」も面白かったのですが、感想文(雑記)を書くタイミングを逸したままになっております。

読後の感動や発見、学びなどは、時間がたつと薄まってしまうので、今回は、読んだ直後の今、書き留めたいと思います。



ところで、この作品は、
全選考委員◎の完全受賞作!
ということで、選考委員の皆さんのコメントが、とにかくもう大絶賛の嵐!


もちろん選考委員の方々は、スゴイ作家先生ばかりなので、各方面に気を使ってお世辞を言う必要もないと思われますので、まあ、本当に面白いんでしょう!!と、ページ数は多いものの(408P)、期待して読んでみました。

ちなみに火花のページ数は152P、スクラップ・アンド・ビルドは128Pでした。
1ページあたりの文字数も多いので、けっこう時間かかりました。



さて、このお話は台湾が舞台です。
主人公は、1975年に17才という事なので、私とほぼ同じ年になります。
なので、「あー私が高校3年くらいの時に、台湾はこんな感じだったんだぁ」とか、「私が20代の頃の台湾は、こんな状況で、あーそういう風に日本を見てたんだぁ…」とか、自分の人生を重ね合わせて、その頃の時代感をリアルに感じる事ができて興味深かったです。


 

まず読み始めて、アレレレレ??そうだっけ??と、感じたのは、台湾の人たちが、日本人を「鬼子」と呼び蔑んでいた場面について。
台湾は、反日というより、親日のイメージがあったんだけど。。。
と思いましたが・・・。

読み進めるうちに、
終戦までの「日本と中国」の対立
終戦後の中国における「共産党と国民党」の対立
国民党が台湾に渡ってからの「中華人民共和国と中華民国」の対立
台湾における「本省人(もともと台湾にいた人)と外省人(中国から来た人)」の対立
などなどが、頭の中で整理されてきました。



もともと台湾にいた人たちは、日本の統治時代を必ずしも否定的にはとらえておらず、むしろ良いイメージを持つ人も多く、本の中で、反日感情をあらわにしていた人は、「外省人(中国大陸から渡って来た国民党の人)」だったわけですね。
そうですね。中国大陸では、直接戦争していた相手ですもんね。なるほど。

歴史や地理の認識やイメージというのは、知っているつもりでも、アイマイモコとしたものが多くて、こういう本を読む事で、いろいろと整理され再確認できるのは、ありがたいことです。
年表や地図からの情報ではなく、人々が生きた人生で歴史を学ぶというのは、楽しいですね〜〜!

ところで、最近では、台湾で日本統治時代への関心が高まっているとのことです。

個人的には、台湾といえば、台湾料理!美味しい!!というイメージがあり、シジミの醤油漬けとか腸詰めとか…。
ああ、食べたい。。


 

さて、全体的な感想といたしましては、若い主人公の無鉄砲な生き様がカッコ良かったり、いろんな事件でハラハラしたり、謎解きやミステリーの要素もあってドキドキしたり、また大爆笑してしまうとこもあるし、人と人のふれあいでホロっとしたりもして、とっても楽しめました。きっと、映画になると面白いだろーなーと思います。
(ただ憎しみと報復の連鎖をつきつけられるのは、とても悲しかったですが…)
 
しかしながら、実によくできた素晴らしい作品でした。
まさに、エンタメ作品!といいきってしまうと、なんか軽くなってしまいますが、ストーリーの構成力とか、作家の筆力というか、実にパワーのある作品でした。純文学的な要素も十分にある大衆小説、とでもいうのでしょうか。。

とにかく、読みごたえありました!!!

 

何より、1970年代以降の台湾が舞台というのが、すごくよかった。新鮮でした。
もともと台湾に興味があり(もちろん、料理だけでなく…)大好きなところです。(行った事はありませんが)

ただ、私は過去に一度だけ、外国人の方々の前で講演をしたことがあるのですが、それが、台湾の人たちでした。
30代の頃、東京にいた頃のことですが、台湾から日本に、ビジネスの勉強に来ていた人たち(たぶんエリートの人たち)に、日本のマーケットについて話して欲しいと頼まれたのです。

もちろん、皆さん日本語がわかる方ばかりで、日本語での講演でした。(でないとムリですょ…)
その講演の後に、一人の台湾人の男性(たぶん私と同じ年くらい)が、来られて「あなた、頭が良いですね」と、ほめられました。

「頭がおかしい」とは、良く言われますが、「頭が良い」と言われることは、まずないので、正直とてもうれしかったです。
台湾の人には、そんな良い思い出??もあります。



この作品の主人公「秋生(チョウシェン)」は、成人してからは、日本語を学び貿易の仕事で頻繁に日本に訪れています。
私と同世代の主人公ですから、この講演の時に、出会った台湾の男性が、「秋生(チョウシェン)」の様な人生を歩んできた可能性もある訳で、と思うと、とても不思議な感じがしました。。。

ということで、近いうちに台湾料理を食べに行きたいなー!と、思ったのですが(結局、食べ物かい…)、何しろ田舎暮らしなもので、そんな専門店は、近所にありません。

トホホ・・・


 

トホホ・・・と思った矢先、
先日、夫のお兄さんに、台湾土産のカラスミを頂いた事を思い出しました!

よっしゃ、今日は、
この台湾のカラスミで一杯やろう!!!

 

 

それにしても

カラスミって台湾の形に似ていますね・・・。

 

さて、近いうちに、本屋大賞を授賞した「鹿の王」も読まなくっちゃ♪

いや、その前に先日の講演と委員会のレポート?アップしなくっちゃ♪


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